アーカイブ | 10月 2012

コンテンツSEOの実践者松尾さんが語るソーシャルメディアとSEO【CSS NITE LP24 InHouse SEO】

昨年末に、松尾さんが書かれた本
「WordPressで加速させる!ソーシャルメディア時代の[新]SEO戦略マニュアル」
は、私も書評を書かせていただきました
物凄く素晴らしく、SEOに携わる人や、サイト制作に携わる人
色んな人に読んで頂きたい1冊です。

松尾さんのスタンスはナチュラルなリンクを獲得するには
サイトプロモーションが重要で、如何に波及効果を広めていくかという
所謂「コンテンツSEO」の実践者だと私は感じています。

今や日常生活においてもソーシャルメディアは浸透し
多くの人が活用しています。

このツールを使って、コンテンツの波及を広げ、コンテンツを楽しんでもらい
SEOを有利に進めていきましょう!という松尾さんのセッション。

こうやって、口で言うは易く行うは難しの
コンテンツSEOを実践している
松尾さんのお話をまとめていきます。

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撮影:飯田昌之
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【外部リンク獲得のためのコンテンツプランニング 】
講演者:Webライダー 松尾 茂起さん

どうやって外部リンクを得るのか

外部リンクというのはサイトの人気票。
だけども、これは内部対策のように誰もが
コントロールできるような施策ではないし
なのでSEOベンダーに頼むケースが多くなってしまう。

ただ、現在の検索エンジンは購入リンクを良しとはしておらず
それによって、警告⇒ペナルティーへと受けてしまう場合も少なくない。

ならば・・・外部リンクをどうやって集めるのか。

ソーシャルメディアを利用して、紹介することを目的するのが
一番、リンクをもらいやすい。

このサイトがいいですよ!
このサイトはおもしろい!

というようにソーシャルメディアを通して紹介されることは多い。
※Twitterは、rel=”no follow”を外しました。

ソーシャルを通し紹介されるコンテンツを作ればいい。
では紹介されるには、どうするのか?

そこで!
WEB心理学の一人者で松尾大学の松尾教授が登場!
(松尾教授は途中オカンの話でアツくなりすぎて普通の松尾さんに・・・w)

ここは、冒頭でも説明した、
「WordPressで加速させる!ソーシャルメディア時代の[新]SEO戦略マニュアル」
をご覧ください。

リンクを貼る人の心理というのはどういう心の動きなのか。
を説明してくれています。

紹介してもらう(外部リンクを獲得する)コンテンツ作り

沢山の情報が蔓延するWebという世界の中で
どのようなコンテンツを世に送り出せば
ソーシャルメディアに紹介されるのか。

はてなやNAVERまとめで取り上げられる話題は「まとめ」が多いけど
そのまとめをつくるのは得策ではなくまとめられるコンテンツを作る方が
より効果的で、波及効果をもたらす。
セグメントされればセグメントされるほど、まとめられやすくなる。

情報多寡だからこそ、尖がった情報を発信しないといけない。

ある程度、既にまとまってしまっているコンテンツを
一度、セグメントすることを主眼にみてみると
より、尖がったコンテンツを生み出すことができるかもしれない。
それが、紹介してもらうコンテンツ作りの一助となるかもしれない。

だた、セグメントしたコンテンツを作ったとしても
露出をしないと意味がない。

やはりここでもソーシャルメディアはとても便利なので波及効果を狙う。

ただし、注意しておかないといけないのは
各ソーシャルメディアの使い方。

特に、Facebookは実名故に波及効果が薄まってしまう場合がある。
それもまた人間心理で、
「こんなことをシェアして友人に何か思われないだろうか」
等のマイナスな要素が働くことで、爆発的な波及効果を見込めない。

一方、Twitterは匿名だからこその、ユルさや気兼ねのいらないリツイートで
コンテンツ波及が見込めることが多い。
そして、それははてなブックマークにも影響を及ぼし
自然な外部リンクをより獲得できる。

ただし、そうなるには練られたコンテンツ設計と
情報がセグメントされている尖がったコンテンツ制作が必要になってくる。

リンクを貼ってもらうために忘れてはいけないこと

ソーシャルメディアがどんなに広まって日常生活で利用されることが
多くなろうが、今後どんなWebサービスが流行ろうとも
結局、リンクを貼るのは「人」です。

そして、貼ってもらうには
「その人にリンクを貼ってもらう行動へと促すこと」

これは、外部リンクを得るために最も大事な考え方
なのだと思います。

本当に言うは易く行うは難しですが
松尾さんはこれを実践していらっしゃいます。

昨日(10/26)のホッテントリに
睡眠不足の人に教えてあげよう!簡単に実践できる6つの睡眠改善ノウハウ
というのがあります。

これは松尾さんがプロモーションを手掛けている
サイトの1つだと思いますが
このサイトのプロモーションのやり方は物凄く勉強になりました。

このサイトなの戦略についてまた別の機会で書きたいと思いますが
セミナーで仰っていることを実践してそれをこうして結果を出されている
本物の「コンテンツSEO屋」さんです。

素敵な講演ありがとうございました。

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■こぼれ話

恋のSEOを頂きました!
ありがとうございます!
後で、サインをもらっておけばよかったと、後悔。。。

恋のSEO

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ベンダーの立場からSEO業界の是正を志す木村さん【CSS NITE LP24 InHouse SEO】

ちょっと題名がどうかなあと思いましたが

僕がこのセッションから受け取ったメッセージは
インハウスの担当者が、どうベンダーと付き合えば良いのかということ。

もう1つは
同じSEOベンダー・SEO業界を全うでかつ、クリーンなイメージにすべく
日々努力している人達がいるということ。

この2つのことを中心に記事を進めていきたいと思います。

今や、誰もが知るサイバーエージェントにて
SEO事業部で技術責任者の木村さんが
アツく、語ってくれました。

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撮影:飯田昌之
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【Googleの最新動向から見るSEO会社の使い方 】
講演者:サイバーエージェント 木村 賢さん

インハウス担当者はベンダーをもっと使って欲しい

インハウス担当者とベンダーはそれぞれに得意分野が異なる。
そうであるならもっとベンダーを活用して
インハウスのメリットを更に強めてほしい。

木村さんは、ベンダーの視点からインハウスの支援ができれば
もっとよりビジネスにインパクトを与えられるのではないかと
示唆しています。

インハウスの強みとベンダーの強みは違いを下記に並べると

■インハウスの強み
・自社サービスへの熟知をしている
・社内の調整やコンテンツの制作
・自社サービスへの成果に対するコミット

■ベンダーの強み
・情報の収集
・幅広い業界に対するデータや分析
・ツール開発

という感じになり、インハウスとベンダーでは
得意、不得意分野があるのは事実。
ならばインハウス担当者は、SEOを有利に進めるための
補完としてベンダーを使って欲しいということを
何度も強調して、セッション中お話していらっしゃいました。

リンクペナルティについて

昨今のSEOで大重要課題となっている
ペナルティについて、事例を交えてお話しくださいました。

僕から2つポイントを挙げておきます。

・警告が来たら、必ず対応すること(人工リンクは必ず外す)
・理路整然とGoogleに伝えること。
(ムダに平身低頭する必要は無い。主張するところは主張する)

幾つも、例を挙げて木村さんは説明下さいましたが
1つ1つ取り上げていくよりも
ここのセッションで感じた、僕の中で一番重要で大切で、最もアツかった!
と思ったことを書こうと思います。

こんなことを言うSEOベンダーは信用してはいけない

・Googleからの警告は自然に解除されるものだ
・再審査を行うとより、Googleよりペナルティを受ける

参考記事
http://www.sem-r.com/seo/20120229183647.html

「こういう説明をする、SEOベンダーは
自分たちのリンクの資産(つまり、購入リンク元のサイト)を守ろうとするが故の
言い訳にしか過ぎず、インハウスで行っている方やSEOを外注している方は注意してほしい」

と述べ、Googleから警告が来てしまう原因の1つとして
リンク購入があるのは、ベンダー側の責任の一端はあると説明しながら
下記の様な事も仰っていました。

「リンクを外すことで料金を取るベンダーが一部見受けられる。
こういうことをする業界だと思われ、
SEOベンダー及び業界はブラックなイメージがついてしまう。
真剣にやっているベンダーにとっては物凄く腹立たしい」

と言葉をちょっと荒げつつ
「リンク解除を無料で出来ることを確認すること
また、リンク購入に対してのリスクをきちんと説明できること
も、ベンダーを選ぶ際の基準にしてほしい」
と仰っていました。

ベンダーとして業界を正しい方向に導く努力

このセッションは
インハウスSEO担当者だけではなく
SEOベンダーに対して、強いメッセージを残したのではないか
と感じました。

それは、業界のイメージをより良くしようとする木村さんの姿勢
そのものなのではないか。
それが実現できれば、よりインハウス担当者もベンダーを信用し
ベンダーもより、インハウス担当者にSEOソリューションを
様々な視点から提供できる良い、関係が構築できる。

それは、業界として正しい方向性であって
未来永劫続けることのできる仕組みであるのではないか

そんな、未来を木村さんは描いているのではないかと
僕は感じました。

インハウスの担当者同様に、日々SEOと向き合う
ベンダーがいるということ、業界の為に、将来の事業継続の為に
努力し続けている人達がいるということを
理解する必要が、インハウス担当者にもありそうです。

最後に木村さんのアツイ一言で締めたいと思います。

インハウスで抱える課題を
ベンダーを使って解決してほしい
そのためにSEOベンダーは全力で寄り添っていきたい。

力強くまた、心強い一言だったと僕は思いながら聞かせて頂きました。

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こぼれ話

木村さんとは、僕が学生の頃に一緒にお仕事させて頂き
その頃から親しくさせてもらっています。
(ありがとうございます!)

そんなこともあり今回の記事は相当に気を遣いましたw

木村さんがもしこの記事をご覧になられた際に
「バカヤロウ!」
と怒られないように今の自分にできる全力で
そして、感じたままに書かせて頂きました。

もし、お気に召さないようでしたら
記事公開時から、謝罪しておきます。

「申し訳ございません」
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インハウスSEO担当者が実践すべき道を照らしてくれたハントさん【CSS NITE LP24 InHouse SEO】

日本ではあまり名前をお聞きしませんが
1990年代から検索エンジンマーケティングの実践者として
ご活躍されて、今ではSEMPOの理事長でもあるハント 肇子さん。

海外でご活躍されている実践者をわざわざ日本での講演に
呼んだ三澤さんも相当交渉したのではないかなと思いながら
聞かせて頂きました。

内容は、海外のインハウスSEO事情について
そして、どう進めているかということを細かく詳細に
お話しくださいました。

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撮影:飯田昌之

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【海外企業インハウスの構造と対策にみるIn-House SEOのあり方 】
講演者:AJPR ハント 肇子さん

欧米企業では、インハウスでSEOを行うケースが多くなってきている

・完全にインハウスでSEOを行う企業
・コンサルタントを交え、SEOを行う企業

上記2つが増えてきた。

・サイトのイメージやメッセージを統一したい(海外展開する中で)
⇒海外展開するサイトはどんどん数が増えるので、それぞれの代理店に任せてしまうと
サイトのデザインも、マーケティング手法も、代理店のやり方に任せてしまい
やっていることがバラバラになってしまうので、勿体ない。

・コストやリソースのムダを省きたい
⇒サイトの修正だけでも数が多くなり、その度にSEOに関する修正もしなくちゃいけないので

・レポートを統一して、ゴールへの共有化
⇒各国バラバラな代理店に任せると、レポートの体裁もゴールも全てが違うので
それは予め、統一しゴールへの共有をきちんと行う。

こういった問題を無くすためには、インハウスで行うことで解決できる。
また、無駄や重複も防ぐことができるので企業はどんどん
インハウスでSEOを進めるケースが増えてきたそうです。

と、ここまで書きましたが
1つ1つ書き上げるのはさすがに厳しいので
ハントさんのセッションで気になった2つのポイントを
書きたいと思います。

Center of Excellenceのススメ

対策を取るべき項目を洗い出して
それ毎にプロジェクトを作ってしまう。
担当は基本1人で、レポートを作り、発表する。

これはSEOだけではなく
広告やソーシャル、PR、WEB戦略等も同時に行えば
それぞれの分野との横のつながりも構築が出来るし
更には、こういった企業文化を作ることで、様々な分野のことにたいして
興味を持ってもらい、SEO担当者は社内でSEOを進めることがしやすい
環境を作れるのではないかと。

例えば、「Googleアルゴリズム変化」ということに対してレポートを作成。
その内容を発表しながら、社内におけるSEOへの理解を進められ
社内におけるSEOの必要性を深めることが可能になる。

専門職が企業内での存在感を示すためには
良い機会作りの場になるのでは、と思います。

Scrumのススメ

細かなタスクを管理して、いつまでに終わらせるのかを洗い出し
スケジュールに落とし込むことで、作業の重複を防ぐ。

メンバーは誰なのか
優先度はどうなのか
チーム内のプロジェクトを明確にして売上の最大化を目指す。

これからSEO担当者が行うべきこと

最後に、ハントさんが仰った言葉が凄く素敵だったので
転記させていただきます。

「SEO担当者は熱意があって、情熱もある。
でもそれが仇となってしまうときがある。
実行したいことをお願いしやすい環境を作るためにも
SEO担当者以外の担当者の仕事内容や状況を
理解しないといけない」

仕事における状況や立場はそれぞれ違いますが
SEOが社内に必要だ!
というのは大事ですが、SEOを社内に浸透させるために
まずは、社内のSEO以外の担当者のことを理解することが
必要なのではないか。

インハウスでSEOを進めるにあたって
とても大事な、考え方だと思いました。

理想的なインハウスSEO担当者が、企業内でどう仕事を進めていけば良いのか
そして、どう構築するべきか
道を照らしてくれた、素晴らしいセッションだったと思います。

ありがとうございました。